知識の偏りを知る
知識に偏りがあり、それに無自覚である
時間は有限です。人生で学ぶことができることの総量も限定されています。
しかしそれ以上に、現在の自分が何を知らないのか、ということを知らない。普通にしていたらそれに自覚的になる機会すら少ないので、客観視する方法を考えてみました。
NDCビンゴ
いたった結論がNDCビンゴ。なおビンゴ要素はありません。
使い方は簡単。0類~9類それぞれの欄に好きな本を埋めるだけです。読書記録とにらめっこして埋めてみてくださいね。 これで埋まらなかった分野については、自分の知識が全然ないということが分かります。 作る過程にも意味があって、容易に埋められるところは興味が強いということですし、なんとか埋められたというところは弱いことを意味します。
NDCとは
NDCは日本図書十進分類法のことです。図書館に本が入ってくるときに、これはこの分野の本~と分類しているのですが、その分類のことです(ざっくりと)。 世の中の知識を0~9に10分割して、その中でさらに10分割して…と分類しています。
岡山県立図書館のページが分かりやすいのでリンクを貼っておきますね。
その本がどのNDCに分類されるか知りたければ、国立国会図書館の蔵書検索サービスNDL Onlineあたりで検索してみると良いと思います。
出版点数は一律じゃない
分野によって本が沢山出ているところもあれば、あまり出ていないところもあります。そのあたりは少し留保しておいてください。
今後の発展
やっつけで作ったので、課題があります。
このワークシートで見られるのはあくまでその領域の本を読んでいるかいないだけなので、どこにどれくらいの興味があるのかという濃淡は見えません。高さや色の濃さなどでもう一次元増やした方が面白そう。
一次区分(類)しか見えてないので、二次区分含めて見られるようにしたいな。読書記録系のものと連動して、ISBNからNDL SearchのAPIでNDC取ってきて自動化、とかできそうかしら。勉強がてらやってみる…?
もともとは司書用
自分の知識の偏りを知る、というかどこに大きな穴があるのかしるためのワークシートは後輩の司書の研修と自己紹介の目的で作成したものでした。
研修:自分の知識の穴を知る
司書はレファレンスで何を聞かれるか分からず、全分野について何かしらの知識が必要になります。一方で司書の養成課程、と言いますか司書になるまでの専攻などを見ると文学部系に大きく偏っているのが実情です。
ですので、一度自分の知識がどういう分布をしているのかを把握してもらおうという意図で埋めてもらいました。 1年後には一次区分の0類~9類まで、3年後くらいには自分の主題周辺について二次区分の綱まで埋まるようになっていることでしょう。
自己紹介:意外な共通点や趣味を知る
自己紹介というのはいつも難しいものだと思っていますが、結局はその人を理解するために深堀できる話題を探す作業だと思っています。
「好きな本」みたいな聞き方をすると、たまたま村上春樹が好き!みたいに一致する場合は良いのですが、「ふーん、それが好きなんだ」で終わりやすいです。というのもとってもメジャーな本を出すのは司書としてどうなの?みたいな謎のプライドが働いてセンスのいいマイナー本紹介の様相を呈するからです。
そうは言ってもそんな不毛なマウントを取りあえる領域は自分の専門と913(日本の小説、物語)くらい。それ以外の領域でその人の意外な趣味・興味や共通の話題が見つかったりもします。
そんなわけで初めて会った人との自己紹介にも役に立ちますよ!(当然ですが、使う場はよく吟味してください。相手に恥をかかせないように)